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心房細動とは
心房細動は不整脈の中でも最も一般的な疾患であり、心房という部分が正常に働かないことで動悸や息切れを引き起こす疾患です。
心房細動の症状より怖いのは、血栓です。
細かく血管が震えることで、よどみが起こり、血栓ができる可能性があります。
その血栓が脳に到達して脳梗塞が起こってしまうと死に至るケースも。。。。
心房細動の治療は5STEP
心房細動の治療はガイドラインで5段階に分けられています。
①急性期の管理
急性期に心拍数を調整し、血行動態を維持する
②増悪因子の管理
生活習慣や基礎心疾患の管理
③脳梗塞リスクの管理
脳梗塞リスクの評価と高リスクの場合に抗凝固薬の投与
④心拍数の評価
心拍数の調整をすることで、左室機能を保持する
⑤症状の評価
症状を評価して、抗不整脈薬の投与やカテーテルアブレーション、外科的手術の実施。
薬物治療とカテーテルアブレーションがあり、薬物治療が優先される。
カテーテルアブレーションの適応となる患者においては積極的に考慮。
心房細動に対する薬物治療としては,まずは抗凝固療法を考慮し、次のステップとして、以前は洞調律維持療法と心拍数調節療法が同列で推奨されていたが,近年では心拍数調節療法のほうが洞調律維持療法よりも優先順位が高くなっている。
薬物治療は抗凝固薬がメイン。
その後は外科療法も積極的に検討されるんやな。
処方可能性のある薬
5STEPで考えるとまずは「抗凝固薬」の投与が検討されます。
抗凝固薬には大きく2つの種類があります。
DOAC
ワルファリンと比較したDOACのメリットは,
固定用量での投与が可能
用量調整のための定期的な採血が不要
頭蓋内出血発生率がかなり低い
食事の影響がほとんどない
他の薬剤との相互作用が少ない
効果がすみやかに現れ、半減期が短いため術前へパリンへの置換が不要
デメリットとして、
高度腎機能低下例では投与できない
半減期が短く服用忘れによる効果低下が速い
重大な出血の際の対策が十分確立されていない
患者の費用負担増加の可能性
ワルファリン
人工弁置換術をしているケースや、腎機能が悪い場合はDOACの使用ができないので、ワルファリンのみの適応となります。
その他、抗不整脈薬もありますが、今回は割愛します。
専門資格
循環器専門といっても、その中で様々な分野に分かれています。
循環器内科医
循環器全般的な専門性を有する医師
心臓血管外科医
心臓や血管に対して外科的治療を行う医師
不整脈専門医
心臓のリズムを診断し、カテーテルアブレーションやペースメーカー植え込みをする医師
心不全専門医
心不全に特化した医師
心臓カテーテル専門医
カテーテルを用いた治療を実施。
ステントの留置や弁形成術など。
小児循環器専門医
先天性の心疾患や小児の循環器疾患に特化した医師
主治医の選び方
心房細動は不整脈の中でも最も一般的な疾患でありますので、循環器専門医であれば基本的に診療はできます。
しかし、専門性を考えるとやはり「不整脈専門医」となります。
治療は抗凝固薬やカテーテルアブレーションとなりますので、まずはお近くの不整脈専門医に診療してもらい、カテーテルアブレーションの必要性を検討してもらった後に、実施することになった場合は、カテーテルアブレーションの実績豊富な病院で診察を受ける流れが王道になるかと思います。
先生の専門資格とアブレーション実績はホームページで確認できますので、お近くの循環器クリニックや、病院のホームページをチャック!
心臓血管外科がアブレーションしている場合もあるみたい
まとめ
心房細動で怖いのは血栓!
まずは抗凝固薬の治療になりますので、治療薬の知識を多少入れた上で診察に臨みましょう。
カテーテルアブレーションをすれば、根治できる疾患です。
侵襲性も低いので、先生と治療選択肢を相談しましょう。
専門医資格と治療実績を確認して、主治医を選択すると良いと思います。
ガイドラインもかなり充実している領域です。
一度見てもいいかも。
脳梗塞の30%が心房細動が原因なんだって。